茜ヶ久保マリネの若気の至り
海を貫くかのごときスピードで泳ぎ、やっと辿り着いた人魚の洞窟。

私は瞬時に二足に変化し、洞窟の奥へと駆け込む。

満潮だというのに、この洞窟が発見されてしまうとは。

恐らく賊は、満潮だろうと自由に洞窟に出入りできる海の魔物。

そして私の予測通り。

「マ、マリネ様…!」

侍女が、見知った顔の人魚達が。

醜い鱗に覆われた半魚人達によって組み伏せられている所だった。

「あんた達…」

ワナワナと震えながら。

ブーツの音を響かせ、私は一歩踏み出る。

その左手には、一瞬にして顕現する魔刀・海刀神。

「あんた達私の仲間に何をやっているのっ!!!!!!」

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