茜ヶ久保マリネの若気の至り

一定の距離を置いて私を取り囲む男達。

その頭頂部から、皮膚が裂ける。

バリバリという生々しい音を立て、真っ二つに裂けていく生皮。

その皮膚の下から剥き出しになったのは、暗緑色の本来の肌。

いや、これは肌とは言わないだろう。

鱗というのが正解に違いない。

海中を自在に泳ぐ際、水の抵抗を極限まで減らす役割を果たす魚の鱗と同一のものだった。

しかし彼らは魚ではない。

勿論人間でもない。

人間の皮を脱ぎ捨て、私の前で正体を現した彼らは、この天空宮近海を根城とするサハギン（半魚人）であった。