茜ヶ久保マリネの若気の至り
人魚の洞窟で仲間達を人質に取られ、私はサハギン達に無抵抗の意思を示すしかなかった。

あの場でサハギン達を斬り刻むのは容易い。

だけど仲間を誰一人傷つけないという保証はない。

それでは意味がないのだ。

…海刀神を捨てた私を、サハギン達は厳重に拘束してこの洞窟に連れてきた。

相当な深海に位置する、日の光さえ届かない海底洞窟。

…私は眉を潜めていた。

リヴァイアサンの塒と場所が違う。

リヴァイアサンは、確か天空宮沖の岩場に居を構えていた筈だ。

船も、泳ぎ慣れた海の魔物も近づく事が出来ないような、険しい岩場。

そこがリヴァイアサンの牙城だった筈。

ここはどこなの?

私も知らなかった、リヴァイアサンの第二の根城なのかしら?

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