茜ヶ久保マリネの若気の至り
だぶついた腹を揺らしながら、男はゆっくりと鉄格子の中に入ってくる。

「思えば噂を耳にするだけで、こうして直に話をする事はなかったな。逢えて光栄だよ、女王」

「あんたなんて知らないわね」

私は敵意を剥き出しにして男を睨む。

怖気が走る。

両手が自由になるのなら。

海刀神が自在に顕現できるのなら。

あと1ミリでも近づいた瞬間に、首を刎ね飛ばしてやる所だ。

しかし。

「つれないな、女王様」

男は私が不自由なのをいい事に、露わになった私の胸を鷲掴みにする!

「しばらくはここで共に暮らす事になるんだ。仲良くしておいた方がお前にも得だろう?んん?」

片手でグミグミと乳房をこね回しながら、男は下卑た笑いを顔面に張り付かせた。

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