茜ヶ久保マリネの若気の至り
島並みの大きさを持つエイの怪物と、百メートルもの海竜。

そしてその竜の頭上で魔刀を構える私。

最早ちょっとした怪獣映画の様相を呈してきた。

或いは神話の時代の聖戦か。

巨大生物二匹が対峙する事で天空宮近海は荒れ狂い、大気までもが乱れる。

嵐の如き暗雲が立ち込めている。

そんな中。

「奴に突進する!」

「ええ!」

リヴァイアサンは荒波をものともせずに海を走り、クラーケンへと果敢に突っ込んだ。

海面を飛び跳ねるように突き進む姿は、まさしく竜神!

「図に乗るなよ、海蛇風情が!」

クラーケンはリヴァイアサンを真っ向から迎え撃つ。

リヴァイアサンの体躯ほどもある長い尻尾を自在に操り、機先を制する!

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