茜ヶ久保マリネの若気の至り
「来るわ、リヴァイアサン!」

「ああ!」

私の合図で、リヴァイアサンは長い体を螺旋のようにくねらせる!

クラーケンの尻尾をその動きで回避。

紙一重で攻撃をかわす!

「……!」

間近で見たクラーケンの尾は、黄ばんだような色の粘液に包まれていた。

鼻を突くような異臭。

明らかに何か有害な物質である事は容易に想像できる。

恐らくは毒物。

普通のエイですら、尾から致命的なまでの強力な毒を分泌するのだ。

クラーケンの尾に、それ以上の毒物がない筈がない。

恐らくは強靭な肉体を持つ竜種ですら、受ければ只では済まないレベルの毒物だろう。

「はぁあぁぁっ!」

私はクラーケンの尾との擦れ違い様に海刀神を振るう!

魔力を注ぎ込んだ渾身の一撃は、刀身から高圧の水流を放って、クラーケンの尾を断ち切ろうとする!

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