茜ヶ久保マリネの若気の至り
しかし海刀神の一撃は、クラーケンに何の傷も与える事はできなかった。

粘液に包まれたクラーケンの尾、そして巨体。

見た目は軟弱そうに見えるその肉体も、粘液が障壁の役割を果たしているようだった。

対魔法、対物理攻撃の効果を持つ粘液。

「厄介だな、流石に深海を牛耳っていただけの事はある」

矢継ぎ早に放たれるクラーケンの尾の攻撃をかわしながら、リヴァイアサンが言う。

だが、手段がない訳ではない。

障壁効果を持つ粘液ならば、その障壁を突破できる威力の攻撃を加えればいい事。

リヴァイアサンが嘶き、天高く咆哮を上げる!

その声により空は更に荒天と化し、海は渦巻き、クラーケンの巨体すら押さえ込むほどにうねる!

「この天空宮の海は、貴様には決して与しはしない、クラーケン!」

渦に自由を奪われたクラーケンの巨体に、リヴァイアサンは雷のブレスを吐きかける!

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