貴方が好きなの
窓と窓の間は1メートル位あって、余程のことが無い限り、行き来できるようになっていた。
窓と窓の下はお互いの家を区切る塀しかなかった。
両方の窓は人が余裕を持って出られる位の大きさ。
怖かった。
そう思っていると、冬夜が私を抱き抱えるようにしてくれた。
少し恥ずかしかった。
冬夜が、腕の付け根辺りを掴んでいる時でさえ意識していたのに。
でも、すんなりと冬夜の部屋まで来れた。
「怖かった?」
部屋に入れたのに、冬夜はまだ私を抱き抱えたまま。
だから、凄く近くで声が聞こえた。
重いから、早く降ろして欲しい。
でも、離れたくない。
「怖かった……」
私の声は震えていた。