貴方が好きなの
壁に掛けてある時計を見ると、針は21:45を指していた。
「もう、こんな時間!?」
「時間過ぎるの、早いな」
「今日体育祭だったから、もう疲れてるでしょ?……私、帰るよ」
私は、窓へ向かって歩いていく。
「今度は、1人で行けそう。…なんとなく、コツ掴んだし」
「まだ1回しかしてないのに?」
「大丈夫だよ」
「そっか。……帰るなら、最後に、ぎゅってしていい?」
「……イヤって言っても、するでしょ?」
私なりの意地悪な笑みを浮かべた。
「嫌なのか?」
冬夜も意地悪に笑った。
そして、私を抱きしめた。