貴方が好きなの
「藍〜。ちょっと待って」
教室へ帰ろうとしていた私を呼び止めたのは、冬夜。
私の彼氏。
付き合って1ヶ月を過ぎたばかり。
私達の関係を知っているのはマナくらい。
でも、みんな薄々気付いていると思う。
だっていつも私と冬夜は一緒にいるから。
「藍は誰に入れた?」
冬夜は私の思考を遮った。
「私は…マナと冬夜」
「えぇっ…俺は藍と自分に入れた」
「自分に入れるのって恥ずかしくない?」
「だって藍と一緒にやりたかったから」
「…そんなこと考えずに入れちゃった」
「まぁ過ぎた事だし。いいや。…ところで、次の授業なんだっけ?」
「社会だよ。…なんかごめんね」
「気にすんなって」
その日もあっという間に終わった。