貴方が好きなの
「用がないなら早く帰りなよ」
なぜか言葉が尖ってしまう。
「おぅ………。黒川も待ってないで早く帰ったら?」
「ううん、待つ。別に待つの、嫌いじゃないし」
「あっそ。……じゃ」
そう言ってカバンを持った中川は手を振って教室を出た。
「バイバイ……」
虚しく響いた。
一時間半後、ようやくマナと冬夜が教室へ帰ってきて、少し話した。
そして、その日はいつもと変わらない日常をこなした。
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