貴方が好きなの

「皿洗い、手伝うわ」


冬夜の手が蛇口へと伸びる。


「いや、いいよ。
お客様なんだから、向こうで座ってて」


冬夜の手を掴んで止める。

「だって、向こう行ったって、話しに入れないし、暇じゃん?だから、藍の皿洗いを手伝いたい」


目が合う。
なんだか顔が熱くなってきた気がする。



そんな自分に気がついて、思わず顔を背けた。


「うん、確かに向こうに行ったって暇かも。
じゃあ、私がお皿を洗うから、その洗ったお皿を拭いてくれる?」


私が洗ったお皿を丁寧に拭いていく冬夜。


なんだか不思議な感じがする。冬夜が隣にいるだけで、触れたくなる。



まさか、冬夜のこと好きになったのかな………。






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