貴方が好きなの
皿洗いが終わり、冬香さんとお母さんがいる食卓へ戻ろうとした。
が、
「…藍、待って」
ふいに冬夜に呼ばれて、後ろから腕をつかまれた。
「お、っと…………。
何、どうしたの?」
急に後ろから腕をつかまれて危うく冬夜にぶつかりそうになった。
「藍の部屋に行きたいな。というか、見てみたい」
「急に、どうしたの?」
「いや、食卓の方に戻っても世間話についていけないし、藍と話してたいな、と思って」
極上とも言える笑顔でほほえむ冬夜。
「…しょうがないなぁ。
案内するわ」