貴方が好きなの

「先生、冬夜に学校の中を案内したいんですけど、いいですか？」


「まぁどうせ転校してくるんだろ？いいぞ。……でも、俺も連れて行くこと。…オッケー？」


「……なんでですか？」


「お前たちが私服だからだよ！……他の先生に見つかったら怒られるからなぁ」

「ありがとうございます」

一瞬不満そうな顔をした冬夜。


もう一回見たときには、無表情だった。




「……ここが１年の教室だよ」


昇降口からすぐの一階の廊下。


順番に案内していく。


気まずい。


先生も冬夜も黙っているから。


先生は少しだるそうに歩いているから、足音がやたら、廊下に響いている。


冬夜は、さっきから、睨みに近い視線をこちらに向けていて、なんだか恐い。