貴方が好きなの
いつも通り、インターフォンの前で待っているのは、体操服姿の冬夜。
予行の日から体操服登校で、授業も先週からなくなっていた。
授業がないところが体育祭の良いところだと思う。
そう思いながら、家の門を開けた。
「おはよー」
「おはよう。…今日は、あともうちょっとだったのに」
門を片手で後ろ手で閉めながら言って、そのまま2人で学校へと向かう。
「藍がすることは全てお見通し!」
「超能力者!?」
「そうだよ。だから藍のこと、分かる。……今は…体育祭のこと考えてドキドキしてた」
「ウソ!!…当たってる」
つい、さっきまで考えてた。
「まぁ藍は分かりやすいから。あ、言っとくけど、さっきのは、冗談。超能力者じゃないから」
後半はハハって笑いながら言われた。
私って分かりやすいの?
単純ってこと?