記憶 ―惑星の黙示録―
「…まぁ~俺みたいな口だけ達者な男は止めておいた方が正解だよね~?」
アランは、ははは…と笑顔を浮かべて私を見る。
私は少し困って肩をすくめた。
いや、それは…
口先で軽く見せているだけで、本当のアランは良い人なんだって少しだけ分かっちゃったし…
そう視線を送っていると。
アランは一瞬驚いた様に固まって言葉を探していたけれど、
すぐに、またあの『偽り』の笑顔を作った。
「いやいやいや~、俺は外も中も『このまんま』よ~?さっきみたいに神様に罰を与えられる男よ~?」
また、そんな事言って…
威張っちゃって…
素直じゃないのは、人の事言えないんじゃない?
ワンッ…
『…ちょっとぉ。ココロで二人だけで会話するのヤメテくんない!?俺たち、ぜぇんぜんッわかんないじゃぁん!』
そう鳴くコンちゃんは不機嫌そうに、私の足元でビタンビタンと尻尾を地面に打ち付けていた。
『…俺もハルカも、つまんねぇじゃぁん!もぉッ!』
「あぁ、ごめんね…。」
私が足元へ座り込んでコンちゃんの黒い頭を撫でると、フンッと鼻息を荒げてジロリと睨まれる。