記憶 ―惑星の黙示録―
「…ハルカちゃんたちは、昼も苦手じゃないのね?」
「…うん!でも、やっぱり目が慣れてないからチカチカして見え辛いんだけど。だけど昼にも大分慣れてきたよ~?」
私は、
分からなくなっていた。
…夢?
私の、夢の中?
あまりにも、
その設定は細かくて。
夜の世界、妖精。
卵を孵した妖精と、心の通う犬竜。
精霊が風を仕えるという、
その世界は、
本当に存在するのだと…
そう考えざるを得なくなってきていた。
ここが私の『夢』などと…、
彼女たちの存在を否定する様な事は、もう考えては失礼だと思い始めていた。
じゃあ、
ここはどこなんだ、と。
その答えは出る気配はない。
ウゥッ!
『…ねぇ、ちょっと!馬鹿アランてば!青い虫さんは居るかって聞いてんじゃんかッ!』
先へ進もうと歩き出すアランに、コンちゃんは唸り声をあげる。
「…え~?青い奴もたまに居るけど、『虫さん』じゃないから遊ばないで欲しいかな~?…って、皆さん。早く進もうよ~…!?」
立ち止まったまま話してばかりいる私たちにアランは呆れていて。
「…あぁ、そうよね。」
私たちは慌てて歩を進めようと動き出した。