記憶 ―惑星の黙示録―
アランはピタリと足を止めた。
表情は真剣で、その顔からどんな深刻な言葉が出るのか、私たちは息を飲んだ。
「…リュウと妖精族との約束は、妖精族を…洗礼を受けない者を守ろうとするもの。『約束』であって『掟』ではない。」
「……ぇ?」
眉を寄せて首を傾げた。
コンちゃんに限っては、考える事も困難の様でハルカちゃんの表情で読み取ろうとしている。
「…だから~。迎えに来たのは、ハルカたちの事じゃないよ。」
「…そうなの?」
アランは、ふぅ…と困った様に溜め息をついて笑った。
じゃあ…、ほら。
「…やっぱり私なんじゃない?」
私の言葉にハルカちゃんたちは大きく驚いて、アランに食って掛かる。
「えぇ!?なんでナオちゃんなの!?」
『違うよなッ!?ナオも良い子だもんッ!!』
「もぅ。違うって…。どうして皆そうマイナス思考なの…?いいから早く先へ進もうよ~…」
アランはそうぶつくさ言いながら、振り返って鬼の存在を再度確かめた。