記憶 ―惑星の黙示録―
鬼は、未だ…
宣言通りに、そこに居た。
「…げぇ。マジで待ってる…。鬼は、目的を果たすまで相手を追い詰めるからね…、しつこいなぁ。早く、リュウの所へ行こう…」
アランは力無く、そう肩を落とした。
ハルカちゃん達じゃない。
私の事じゃ、ない。
じゃあ…
私たちの足は動かなかった。
きっと、
その答えが確信に変わるまでここを動けない。
でも、どうして?
本当に?
私もハルカちゃん達も、
考えている事は同じだったんだと思う。
「…アイツが迎えに来た者は、……俺なのさ…。」
アランは、
そう「笑った」。
「鬼ごっこ」――、
幼い頃によく外で走り回った記憶が、アランの言葉で蘇った。
「鬼」は、
ただ、ひたすらに相手を追い掛ける。
相手を捕まえて、
「鬼」は交代される。
ただ、
それだけの「遊び」。
私は、その遊びが嫌いだった。