記憶 ―惑星の黙示録―


「…これを、…覚えていてっ?」

…え?

アランは自分の胸を指差して、息を荒げていた。


「…この色っ、はぁ…。これが、俺だから。…体は、消えるかもしれな…い、いや…消えるね?これは…。」

消える…
「消える」って、どういう事!?

私は首を横に振る。
もう、嫌な予感からは逃げられないのかもしれない。
胸が騒いで、
私を締め付けていた。


「…はぁ、…ぐっ。体は…消えても、俺は『居る』から。慌てないで、花畑へ…」

何を…
言ってるんだろう。

消える前に花畑へ着けば、リュウって人に助けて貰えるでしょう!?


「…た、多分…このかんじは、間に合わないや…」

ちょっと…
あんただけは、プラス思考なんじゃなかったの!?
止めてよ…


アランのその言葉は、
私に初めて見せる「弱音」。

そして、悲しい「本心」…


「もうすぐっ…花畑だから。俺が消えたら、…俺の、みんなを守ってた力、…消える…ぐっ…」


何を言ってるの?
死なないで…
嫌だ、消えないでよ…


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