記憶 ―惑星の黙示録―


アランの体は、消えた。
でも、
この光が『アラン』…


あまりにも「有り得ない」と…、
冷静に考えればそう疑うけれど…

私の心には、
穏やかに光が指していた。


アランが、居る…


「…ハルカちゃん…!」

私は涙を流す二人に、この「存在」を伝えようと後ろを振り返る。

二人は地面に顔を向け、体を崩してうずくまっていた。


…え?
哀しみに涙を流して?

…違う。


ハルカちゃんは苦しそうに、息も切れ切れに両手を地面に付いていた。

その横では、
自分自身も弱りきったコンちゃんが、彼女を心配して寄り添い鼻を鳴らしている。



「――ハルカちゃん!?コンちゃん…!」

その二人の姿は…
先程のアランの姿と重なって私の胸を焦らせる。

未だ二人の体は透けてはいないけれど、
このまま苦しませたら…


消えちゃう…!?

私の重い足が、もつれながら彼女たちの元へと駆け出す。



「…どう…どうしたの!?」

「…ナオちゃ…さっきより…体が重くて…苦し…」

そう弱々しく言葉を発し、地面から顔を上げたハルカちゃんが私を見上げて…、

…固まった。


「…ナ…ナオちゃ…!?」

『――…ワンッ…』


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