記憶 ―惑星の黙示録―


どうして…
こうなったんだろう。

一体、
何が起こっているんだろう…。



「…ぁ…、ぇ…」


消えかけていたのは、

私の方だった。




焦り、動揺…。
恐怖?

体の全てがまるで心臓になったかの様で…、

『落ち着かなきゃ…』

そんな私のちっぽけな意思は、体の本能にかき消されていた。



カタカタと震える、
私の透ける両手。

その向こう側で、涙を流すハルカちゃんの顔が歪む。


「…嫌だ…ナオちゃんまで!」


私も…
消えるの?

「光」になるの…?
光になって、私は残れるの?


――…違うと思う。

アランの胸には、
「光」が在った。

私の胸には…


そっと…
二人に気付かれない様に、そっと自分の胸に瞳を落とす。


……無い。

「光」なんて、見えない。


いつも…
何も感じない振りをしていた。
平静を装っていた。

動揺なんてしてない振りをして、自分が次にどうするべきか考えていた。

心の中は、
不安で一杯なくせに。


でも…
頭が真っ白になった。

何も、考えられなくなった。


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