記憶 ―惑星の黙示録―


リュウが自信満々に笑顔でそう言うので、多少会話に違和感を感じながらも、


「まぁ…そうかもね。よろしくね、リュウ。」

と引きつりながらも私も多少笑顔になる。

すると、身体中に広がっていた緊張も一瞬緩んだ。



――ピカッ…


眩しい何かが、下から私を照らした。

一瞬目を背け、恐る恐る崖の下に視線を向けると、
厚い白い雲に今までなかった丸い穴が現れていた。


まるで、オーロラの様に穴は光っている。
白い雲の中に現れた丸い輪。


「リュウ、何?あれ…。トンネル?七色に光ってる…。」

こんな物は今までに見た事はない。

似た物を見ていたとしたら、それはファンタジーもののテレビや映画のワンシーンだろう。


リュウはいかにもそれを待っていたかの様に、すでにその穴を見つめていた。


「これはね、奈央。俺たちがこれから進むべき道なんだよ?」

「…道?これが…?」


道、と聞いて、
ちょっと嫌な予感はしていた。

次の瞬間、

リュウは私の手をがっちりと握ったままだったので、


「よぉしっ、飛び込めぇ!」

リュウがその道に飛び込んだ途端に、少し遅れて私も穴に落ちていく。


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