記憶 ―惑星の黙示録―


「運命」――…

もし…
それが本当に存在するのなら、
この時の事だと思う。


お互いに名前を確認し合っただけで、何かに…、
まるで、
運命の糸に引かれ合った様に。

不思議な二人…。



しばらくして、
愛里は私たちに教えてくれた。

よく見ていた夢に、
自分と梓さんが出てきていたんだ、と。

その舞台が、砂漠で…。

どこなのか、
いつの事なのかは、分からないけれど…


『それは「前世」なのかもしれないし、「違う世界」なのかもしれないね…?』


私には、
よく分からなかったけれど。

そう微笑む愛里は、
とても穏やかで幸せそうだった事を覚えている。



……砂漠?

誰か、違う誰か…
同じ様な事を…

言って、いなかった?


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