記憶 ―惑星の黙示録―
「…嫌だーッ!待ってって。置いてかないで!」
置いて行かれちゃう…?
ううん。
二人はそんな事しないと分かっていた。
現実では…、
二人は笑顔で遅い私を待っていて、三人で小さな池へと辿り着いていた。
でも、
ここは…
私の夢の中…。
二人が、
どんどん先へ行ってしまう。
私を振り返りながら、
それでも先へと行ってしまう。
「…待ってってば!」
足は重い。
上手く動かない。
どうして動かないの!?
早く、追い付きたいのに!
二人の姿は、
見えなくなった…。
「…嫌だって!置いて行かないで!…待って…」
まるで、
親に置いていかれた子供。
私は必死に叫び続けた。
次第に視界は白く歪む。
涙で見えないのか、
意識が薄れてゆくのか、
その両方か…
「……置いて…行かないで…」
愛里、絵美…