記憶 ―惑星の黙示録―
私はそうハッとして、二人に視線を送った。
しかし、二人はアランを失った哀しさからか元気は無いものの、先程の表情が嘘の様に体調は良さそうに見えたのだ。
「…それが…、花畑に入った途端に体が重かったのもどこかに行っちゃって…」
ワゥン!
『――治ったッ!!』
「…そう。良かった…」
花畑へ急げ、
そう言われていた…。
アランはきっと、
私たちを自分の「力」で守っていた。
アランの体が消えて、
アランの、その力も消えた。
だから、コンちゃんの言葉も私には分からなくなっていた。
アランの掛けた魔法だから。
そう考えれば、
全てつじつまは合う。
この花畑には、
アランみたいな不思議な力が宿っている。
きっと私たちは今、花畑に守られているんだ…。
…でも、ひとつ。
分からない事が、
つじつまの合わない事がある。
二人の元に戻った体調。
相反して、
私の体は…、
消えかけたままなのだ。
空を見上げれば、
その青が眩しくて。
手をかざしてみても…
やはり避けられやしなかった。
すぅ…と風が通って、
声が聞こえた気がした。
『大丈夫だよ』