記憶 ―惑星の黙示録―
「…まぁ、そう切羽詰まるな。挨拶くらいしようや!」
そう言いながら、リュウさんはまず私に握手を求めた。
「初めまして。俺はリュウ!仲良くしようや、奈央ちゃん。」
そう差し出された手を、
私は躊躇った。
だって、
今の私は透けていて…
さっきハルカちゃんやコンちゃんにも触れられなかった。
「…あぁ、俺なら平気さ。」
「…え?」
そう聞き返すも、すぐに私の手は彼に取られブンブンと大きく上下に揺れたのだ。
……!?
なんで、
どうして…
そう大きく瞳を見開き彼を見るが、リュウさんの視線はすっと横の二人へと移った。
「よぉ、ハルカちゃん。会うのは2度目だな?」
「うん…」
やはり同じ、
振り回す様な、大きな握手。
「お前さんは、コンちゃん。お前さんとは3度目かな!ははっ、元気そうだな!」
リュウさんは、コンちゃんの目線まで座り込み前足を取って私たちと同じ様に接した。
その衝撃で、コンちゃんの体全体がガタガタと揺れる。