記憶 ―惑星の黙示録―
『――…ち、ちょっとぉ!俺、か弱いんだから優しくしてッ!それに俺も2度目!』
コンちゃんは、キッとリュウさんを睨んで吠えていた。
「いいや、3度目さ。コンちゃんが気付いてねぇだけ!」
『はぁ!?俺とハルカはいつも一緒なんだぞ!?俺だけ多い事ないもんッ!なッ、ハルカ!』
その横で、ハルカちゃんもコクコクと小さく頷く。
「まぁ分からないか。教会で一度…キース君が一緒の時だ。」
『んぁ?』
コンちゃんは頭が地面に着きそうな程に、大きく首を傾げていた。
キースって人と…?
妖精の世界で…って事?
「…え?え?リュウお兄ちゃんて、キースを知ってるの!?」
思いがけないリュウさんの言葉に、ハルカちゃんが急に興奮する。
「少しだけ知ってる。」
「どうして!?」
しかし、
含み笑いをするだけで答えてはくれなかった。
「さてと…。まぁ立ち話もなんだから、お座りよ?」
そう言って、私たちの目の前に腰を下ろした。
アランに目を向けるとリュウさんのすぐ横にある花びらに、そっと身を寄せていた。
それぞれの胸に、
それぞれの疑問…
はやる気持ちを押さえながら、私たちは腰を下ろした。