記憶 ―惑星の黙示録―


リュウさんが、私の心の声に反応を示した。


「…あぁ、奈央ちゃんの今の状況は『魂』とは少し違う。その中間。夢って言やー、夢だな?」

『…もう途中から、ぜっんぜん分かんねぇ!』

ビタンと尻尾を地面に打ち付けるコンちゃんに苦笑を漏らしながら…、
リュウさんはアランを指差した。


「ははっ、『魂』の状態ってのが、コイツ。奈央ちゃんは、未だこうはなってないだろ?」


アランの姿…
『光』という事…?
それが、魂の状態。


何となく分かった?
リュウさんは、私たちに向けてそう首を傾げた。


私は思った事を口に出してみる事にした。

口に出しながら…、
自分で確認しながら、
納得出来るように努めた。


「…体を持ったまま、ここに来た二人と…、体を持ってないと言う私では、状況が違うということと…」


そして、
アランの言っていた事を思い出した。


『この河の向こうへ行って良いのは、洗礼を受けている者と、洗礼をこれから受けに行く人!つまり、俺と奈央!』


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