記憶 ―惑星の黙示録―


『本来…洗礼を受けなければ、この世界には居られない。それを許す代わりに、この河は越えてはならない、それが約束なんだ。』

そう、
きっと…


「きっと、洗礼ってやつが関係あるんだ…。リュウさん、洗礼って何…?」


深刻な表情を彼に向けて私は聞いたが、リュウさんは大口を開けて嬉しそうに笑った。


「おぉ、やっぱり奈央ちゃんは頭の回転が早いなぁ!繋がってきたなぁ?」

首を傾げたまま答えに自信を持てない私たち。


「洗礼を説明するには、少し…世界の秘密を明かさなければならねぇ。」

「世界の…」
「…秘密?」

『――簡単になッ!?』

そうフンッと鼻息を荒げるコンちゃんに、彼は笑いながら頷いた。


「…わはは、頑張るよ。まず、お前さんたちは薄々気付いているはずだな?世界は、6つ在る!」


…はい?

さらっとそう言い切るリュウさんは、とても嘘をついているとは思えない。
しかし、あまりにも非現実すぎて話に付いていくのが大変だ。


ワン?
『……6つの世界?』

え…?

さっきの夢に出てきた、古道の絵地図…。
その隅に書かれていた内容が、私の頭を過る。

あれは、
宗教とか、大昔の言い伝えとかでしょ…?


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