記憶 ―惑星の黙示録―
穏やかそうに流れる、
キラキラと柔らかな光を反射する河の岸辺。
辺り一帯は草原の様で…、
淡い緑色が風とともになびいて揺れていた。
しかし、その草原には上空から見て取れる程に高低さが在り、くぼんだ大地の一つに村がある。
ここからは、まだ丸い煎餅くらいに小さく見える村。
失明はしていなかったらしい。
…下に、村……
あぁ…
予想通りというか、そうであって欲しくなかったというか…
「ち…近道からぁ、…出たの――?!」
私は怒鳴った。
風圧で、うまく口が開かず乾燥ばかりする。
青い空を、
やっぱり落ちていた。
それも、
どんどん加速しながら…。
これさえ無かったら、
目を奪われる素敵な爽やかな光景なのに。
景色を楽しむ余裕など、
私には与えられない。