記憶 ―惑星の黙示録―
ここまでを説明したリュウさんだって、そこまではさすがに話さないだろうと…。
それに、
一人一人の情報なんて分かりゃしないだろうと…
そう見ていた。
これ以上、理解出来ない内容は出てこないだろう、そう思っていたのに。
「んー、どれどれ。」
リュウさんはそう軽い言葉を出し、身を乗り出してコンちゃんの額に触れた。
「…あぁ、コンちゃんはなぁ…。今の姿の前、…これは奈央ちゃんと同じ世界だなぁ。」
『ナオと同じッ!?』
リュウさんは目を閉じ、コンちゃんの頭に手を置いたまま…
まるで、その光景が見えているかの様に答える。
「…でも時期は…、今の奈央ちゃんの世界より少しだけ先だな。」
『…先?』
「未来って事?」
首を傾げるハルカちゃんたちに、ニコリと頷いた。
「少~しだけ未来だ。」
「…未来…?コンちゃんは、未来から過去に転生したというの!?そんなこと…」
信じられない。
納得出来ずに透けた顔を歪める私に、リュウさんは頷く。
「…想いは…時空を越えて、運命の糸を紡ぐ…。時間はな、生きる者にとっては縛られる物でも、世界にとっては無意味だ。」