記憶 ―惑星の黙示録―
「…転生したら記憶を無くすのが掟。そう言ったがな?…例外として、掟さえも破った「運命」が稀に在るんだ…」
「は!?」
『何の話ッ!?』
「人の強い想いが時空をも越えて、奇跡を起こす事がある。それも、また運命…。俺はそれを紡ぐ者。」
『…ちょっと!今そのワケ分かんない話、関係あるのかッ!?』
コンちゃんはそう怒っていたが、ハルカちゃんは次第にきょとんと静かに聞く態勢になっていた。
「関係ある」話なんだと、悟ったんだ。
掟を破ってまで、
紡がれた運命。
その前例を、
私はもう知っている気がした。
「…キース君からもハルカちゃんからも、その代償はすでに貰ってんだよ。お前さんたちの絆は強いな?」
「…キースと、…また会えるって事…?」
『――…へッ?』
「…今から、その運命を導く為に…二人が出会った場所、花畑へ帰るんだよ。」
だから、奈央ちゃんにお別れしなさい。
そう聞いたハルカちゃんの瞳には、うっすらと涙が溜まっていて…
笑顔を作るのと同時に、涙が溢れていた。
それはコンちゃんも同じ。
ハルカちゃんの表情を読み取って、その意味を理解していた。