記憶 ―惑星の黙示録―


気が付くと…、
アランが花びらを離れ、私の首元に寄り添っていた。

紫の光が、温かかった。

俺が居るから大丈夫、
小さな光にそう言われている気がして、少し救われたんだ。



『リュウ!ナオの事苛めんなよッ!?そんで俺、ナオとも、また会えるか!?』

「…さぁ?それはお前さんたちの心、想い次第…」

リュウさんは、そんな曖昧な返事をコンちゃんに向けた。


ワン!
『じゃあ、多分ヘイキ!俺、ナオ好きだもんねッ!』

コンちゃんは黒い尻尾をブンブンと振り回して、私を真っ直ぐに見上げて座り直した。


私を…、好き?

思いもよらぬその言葉に、
私の心が揺れていた。


こんな私を好きだと、
そう言ってくれた…。

その言葉はまるで、
花畑に吹く柔らかな風の様…。


「…あたしもナオちゃん、好き!だから、またどこかで逢えるよね!」

ハルカちゃんも、私にそう言ってくれて…


「……ありがとう…」

そう返すのが、やっと。
込み上げてくる涙を堪えるのに必死になっていた。


ほんの少しの時間、
一緒に過ごしただけの二人。

なのに、どうしてだろう。

そう言ってくれた二人の言葉を疑いもせず、素直に信じる事が出来る。


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