記憶 ―惑星の黙示録―
ワン…
『…ホントは寂しいから、ナオに…「ぎゅぅ」してほしいんだけど、俺…。うぅ…』
コンちゃんは瞳をうるうると滲ませて、私の体を見回した。
消えかけた透明な体。
触れる事の叶わない体を…。
私も同じ気持ちだった。
二人に、ちゃんと触れたい。
触れて、
抱き締めて…
また逢おうね、
逢えるよね…って、
確認がしたかったんだ。
「…リュウさん…」
「あぁ、お安いご用だ。」
そう言いながらリュウさんは私に近付くと、片手を私の額に当てた。
柔らかな大きなその手は、
やはり…温かかった。
「…ぁ、ナオちゃんの体が…」
『おぉお…』
二人が見つめる中、
私の体に透明感が無くなっていく。
私が確認する間もなく、コンちゃんが地面を踏み込んでいた。
……ドンッ、と。
久々に外部からの衝撃を受けて、私の体は後ろに仰け反った。
――ちりっ…
ポケットの中の鈴が、衝撃を受けて鳴りかけた。
「…コンちゃん!?そんな、いきなり…」
私の両手が、
ふわふわの体を受け止める。
「あははは…」
ハルカちゃんの明るい笑い声。
『…ちりっ…て!?なんの音だッ?』
「これ。拾った鈴の音。」