記憶 ―惑星の黙示録―


私がコンちゃんを支えながら鈴を取り出して見せると、

ちりん…ちりん…

そう鈴を揺らす度に、きらきらと瞳を輝かせて歓声をあげる。


「…気に入ったの?じゃあ、首輪に付けてあげる。」

『…首飾りッ!』

パタパタと翼を羽ばたかせ嬉しそうに歓声を漏らすコンちゃんの「首飾り」に、
私は悪戦苦闘しながら小さな鈴を通した。

赤い石の隣り。
「赤い石」は、
キース君との再会の願い。


「…じゃあ、この鈴は私とまた逢えます様に…ってお願いしてね?」

『――おぅッ!』


ちりん、ちりんっ…

そうコンちゃんが揺れる度、私も嬉しくなって笑みが溢れた。


「ふふ、綺麗な音だね。有り難う、ナオちゃん。いいの?貰っちゃって…」

「うん、実は拾ったの。誰のか分からないし…」

そうハルカちゃんと話していると、コンちゃんがドンと再び私の胸に飛び込んだ。


『…ナオぉ、早くぅ。「ぎゅぅ」して!俺、泣いちゃうよッ!?』

私の胸にグリグリと顔を押し付けて、そうせがんだ。


< 174 / 262 >

この作品をシェア

pagetop