記憶 ―惑星の黙示録―
まるで自分の匂いを私に擦り付けるかの様で…
自分の想いを、私の胸に置いていくかの様にも思えた。
なぜか…
無性に、愛しくて。
とても切なくて、
大切に思えて。
それは力一杯、
コンちゃんを抱き締めていた。
きゅぅ…
『…ナオ、好きぃ~!なんかなッ、抱き締められるとな?ナオの匂い落ち着くんだッ!…また会えるよな!?』
「…私もコンちゃん好きよ。うん、きっと逢えるよ…」
この抱き締めた感触、
愛しい想い…
想い次第で、運命が導かれるのなら…
私たちは、きっと逢える。
コンちゃんの瞳が、私の首元に居るアランへと向いた。
『…アランもアリガトな!俺、アランも好きだッ!なんか…二人とも好きだったんだッ!』
アランは頷く様に揺れると、コンちゃんの周りを遊んでいるかの様に飛び回る。
ピクンッとコンちゃんの体が揺れて、そわそわと忙しなく瞳でその光を追う。
「あ、お兄ちゃん…。そうやって飛んじゃうと…」
ハルカちゃんが手を出してアランを止めている様子…
ゥワンッ!
『――遊んでいいのかッ!?ハルカ!追っかけてイイッ!?』
「――…ダメッ!」
ハルカちゃんは慌ててコンちゃんに叫んでいた。