記憶 ―惑星の黙示録―
無くなった光の扉。
旅に戻った友達。
半透明に戻った、私の体。
穴が空いた心…
孤独感…
まるで無人島に独り取り残されたかの様に、寂しさに囚われていた。
不安で、泣きそうになった。
静かで…
誰の声もしなくて。
花畑にぽつりと、
私はただ立ちつくしていた。
誰に急かされる訳でもなく、久々にゆったりとした持て余す時間だった。
こんな時間、いらなかった。
何か…
何か、リュウさんを待っている間にする事はないか、興味のそそられる物は…
そう花畑を見回したが、
在るのは橙色の花たちだけ。
駄目…
今、独りにしないで。
静かな環境を与えないで。
私に他に考える事を与えて…
嫌な事ばかりを…
ぐるぐると考えてしまうから。
私…
死んだの…?
もう、帰れないの?
愛里や絵美にも会えないの?
風に吹かれる花畑を見つめながら、唇を噛んで涙を堪える。
私の涙は、心の膿。
二人に、ちゃんと…
「おめでとう」って何度も何度も飽きる程言いたかったよ。
言えば良かったんだよ…
膿が…、
流れ出てしまいそうで、
喉が熱くて痛かった。