記憶 ―惑星の黙示録―
こんな恥ずかしい事、
普段なら絶対言えないけれど。
アランには…
私の心が読めるから…。
だから、
…ねぇ。
…手、繋いでよ…
そう寂しそうなアランの背中に言ってみた。
アランは、
顔を緩めて私を振り返ると…
「…何?聞こえなかったな~。口に出して、もう一回言ってよ~…」
そう意地悪く、
高い声を出したんだ。
「…性格悪いわよ?」
「ははは…よく言われる~」
そう笑いながら…、
それでも静かにその手を差し出したから、
私も「ふふ…」と笑ってその手をしっかりと握ったんだ。
私たちは、
似た者同士かもしれないね…?
その手の温もりに安心しながら、私はそんな事を思っていた。
アランは花畑の奥へ奥へと私の手を引いた。
これ以上…私が進んで良いのか、不安になっていった。
「…リュウさんを待ってなくていいの?勝手に歩いて怒られないの…?」
この花畑は、どこまで続くんだろう…。
橙色の花びらの陰から、ちらちらと何色もの多数の光が見え隠れし始めていた。
光…?
それは、さっきまでのアランの紫色の光と同じ様で。
他の人の「魂」なんじゃないか、私はそう気付いていた。