記憶 ―惑星の黙示録―


――砂漠。

そう聞いた時から、
なんとなく…、

予想は、少し…していた。


描いていた想像が、
具体化した映像となって…

私の目の前に、在った。


しかし、
予想外な事に、あの二人の姿はそこには無かったんだ。


今…
私の目の前に在るのは、
果てしなく続く夕日に照らされた「砂漠」。


アランは半透明のまま私の横に居るはずなのに。
その手の温もりは感じているのに、
その光景には、アランが居た。


白いローブに身を包み、
しゃんと背筋を伸ばしてどこか遠くの空を見つめる黒髪の後ろ姿。

その横には、アランより背の高い、がたいの良い剣士風の金色の髪の男の人。

二人の背中には、
寂しさが漂っていたんだ。


『…誓うよ…。アズの想いを、アイリの想いを…俺は継ぐ。』

『あぁ…』

あれが、
ハルカちゃんの探していた彼?


風に吹かれ、砂は舞う。
それでも背筋を伸ばしたまま微動だにしない二人の姿は、綺麗だった。


『…キース、俺たち二人しか残らなかったな…。手伝ってくれるか…?』

『あぁ…。嘘のない国。二人の想いを無駄にはしない…。俺もここに誓おう…』


二人…?
アズ?アイリ…?

――…誓い?


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