記憶 ―惑星の黙示録―
「――キースッ!どうしたの!?」
少し幼いハルカちゃんの声が叫んでいた。
『…俺はお前と交わした約束を、あの日の「誓い」を…忘れたわけじゃない…。』
キース君は、目の前のアランへと震える手を伸ばしていた。
横に居るアランの、私の手を握る力が増して…、彼と同じ様に震えているのが分かった。
『…いいんだ、忘れろよ…。』
『全部、忘れて楽になったらいい…』
違う…
アランじゃない。
私の知っているアランは、
きっと…
友達を責める様な事は言わないもの。
「…やめて…くれ。やめてくれ、頼むから…」
キース君が声を絞り出す様に、苦しんでいた。
――…やめてくれ!
俺じゃない…
俺はお前を縛りたかった訳じゃない…
あの日の誓いは…
約束は…
……誓いなんて、
するんじゃなかったんだ…――
そうアランは他の誰でもなく、自分を責めていた。
後悔をしていた。
アランは…
この場所で、この池で、
ずっと皆を見ていたんだね…?
皆の幸せを願っていたんだね。
キース君のその後を気にして、その姿をここで見ていた。
ハルカちゃんたちの事も、ここで見て…、
知っていたんだね…。