記憶 ―惑星の黙示録―
「ふふ…、この空をもう一度飛べるなんてね…?」
手を繋いだアランの心が、
やっぱり私にも読めたら良いのに、ね…?
貴方は、
今何を考えているの?
穏やかな青い空を、
私たちはゆったりと時間を掛けて飛んでいた。
まるで、この世界を離れる事が名残惜しいかの様に…
私にその術は無いけれど、私の心を知ってか知らずか…
アランが飛ぶ速度を落としてくれているんだと思う。
ここへ来た時と、
大分心境が違うんだよ、私。
これからも性格上、頑張っちゃうんだろうけど…
もう一人で無理してまでは頑張ろうなんて、思わない。
ギリギリに追い詰められていた心は、この風に流されて…
この空に、置いていく。
…そう思えるんだよ?
スゴくない…?
そんな事を考えて、
アランに伝わっているのか、手を繋いだ彼を見ると…
やっぱり、
まるで自分の事の様に、嬉しそうに笑っていた。