記憶 ―惑星の黙示録―
…案外、
近くに居たんだね…
「…世界は広い。普段見えている事だけが『真実』とは限らないのさ…」
先程と同じはずの黒い空。
ぽっかりと、
柔らかに光を放つ「球体」。
――…ううん、「惑星」。
青白いはずの物は、
青く、緑色で…
白い帯が周囲を纏う。
それは…
私の知っている、「世界」。
「……地球…」
「世界は、幾重にも重なり合っている。普段は見えないよ?まるで表と裏の様にね…?」
今、私が見ている光景は…
絵葉書とかテレビの映像で見た事があるんだよ。
でも、
気付くはずがないじゃない…?
ここは…
この場所は…
「…ここは、6つの世界の中間。一番、永遠に近い場所…」
ここが…
――…月、だったんだね?
「ここは、魂の還る場所――…」
そう…
だから、夜空を見上げて…
私たちは、
白く輝くこの星を…
恋しく想うのかもしれない。