記憶 ―惑星の黙示録―
しばらくの間、
私はその青い惑星を目を細めて眺めていた。
灰色のビル群、
その中の一つでセカセカと忙しく動き回り、無理をして笑う自分を思い浮かべていた。
「…外から見たら、こんなに綺麗なんだね。」
青い青い、地球…
緑は少ない、温暖化、戦争…
いけない所は沢山の…
灰色の「現実」。
生きる意味が分からなかった。
目的が、分からなかった。
その答えは、
この場所でも納得のいく物は得られなかったけれど…
それでも…
ヒントは得た気がするんだよ。
世界の大きさに比べたら、
自分は本当に「ちっぽけ」で…
これから、
未だ未だ少しずつ。
先へ先へと進むんだ…
遥かなる旅を、
続けてゆくんだよ。
私の「洗礼の印」は、
一体いくつ在るんだろうね…?
今は…知らなくていい…
いつか、
遠いどこかで…
「答え」を見つける時は来る…。
「…奈央?有り難うね…」
アランがそう真剣にお礼を言うから、私は驚いてビクッと体を震わせた。
「…何、やめてよ。お礼を言うのは私の方でしょ?」
そんなに改まらないで。
急にそんな事、言わないで。