記憶 ―惑星の黙示録―
そして、
私の…
『口先だけの気の強い言葉』
を、貴方は笑って穏やかに許してくれると…
私は、もう知っているから…。
「人は出逢いと別れを繰り返し、6つの世界を旅してゆく…」
そうリュウさんの言葉を繰り返すアランの手に、ぎゅっと力が込められた。
『お別れって苦手なんだよね』
そう言っていたよね。
うん…
私も「苦手」みたい…
「あ~…あ~…俺、コンの素直さを見習おうかなっ!」
「――…へ?」
急に明るい顔をして、
クルッと私の方へと方向転換したアランは、ニカッとコンちゃんの様に笑った。
そして、
口から出た言葉は。
「――奈央ッ!…俺、寂しいから『ぎゅぅ』して…!?」
………。
「……は?」
「――ちょっと!…は?って!俺の勇気を返せ!ヒドイよ!?」
アランはそうムッと顔を歪ませながら、表情を隠すかの様に私に抱き付いてくる。
「…は、あははは…」
私はそう声をあげながら、その体を抱き止めた。
ぎゅっ…と、
力の入るお互いの腕。
まるで、
互いの存在を確かめ合う様に…