記憶 ―惑星の黙示録―


「あのさぁ…、奈央は夢、夢って思ってるけどさぁ、夢じゃないからねっ!」

リュウは唐突にムキになって可愛い声で怒鳴った。

ムッと小さな頬を膨らませている。


…え?
声出した?私…。


「声とか意味ないよ。」

……は!?


「え…?テレパシー?」

「…みたいなものかな。奈央の考えは全部俺に筒抜けってわけ。」


…えっ!
嫌だ、何それ。
マジで?


「しょうがないじゃん。そういう所なんだもん。」

…げっ、本当に筒抜けだ。


「でも、リュウの考えは私には読めないよ?」

「まぁね。とにかく懐かしいのは当たり前なの。なんてったって、奈央だってこの世界から…」


…え?何…?


「…あ、喋りすぎた…」

リュウはヒクヒクと顔を引きつらせて、プィッと遠くを見た。


「今のって、どういう意味?」


リュウは冷めた笑い声を二回出すと、


「何でもなーい。あぁ~、空って気持ち良いね~。」

と私から目をそらし、話までそらそうとする。


…ずるい。
私も心が読めたらいいのに。


「あ~、この世界の洗礼を受けたら、奈央もそうなるよ。」

「そうなの?」


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