記憶 ―惑星の黙示録―
「…よ…夜になったの?」
うろたえた私の質問に、リュウは大笑いして答える。
片手で自分の腹を押さえ、体を震わせていた。
「あははっ、そうだよ?」
「…この世界では、一瞬で夜になるの!?」
「そうだよ?だからさっき言っただろ?夜は駆けつけてやって来る…ってさ。」
リュウは意地悪そうにニヤっと笑った。
「あぁ…そうね。」
私は、展開の早さにあまりついていけぬまま、ただ呆然と平静を装った。
く…、悔しい…
――ぽわぁん…
と優しい明かりが山の麓に現れて。
私の目は、その光に集中した。
「何?あれ…」
「もっと、よく見てご覧よ。」
そう言いながら、リュウは私の手を引いた。
明かりの方へと、幾つもある風の道を選び、道に沿って降下してゆく。
「…ぁ…、」
…街だ。
街が光に包まれているなんて…
さっき、リュウが言っていた街なのね?
「幻想的…」
私は溜め息を漏らした。
「この街では、まだ魔法や魔術など不思議な力が生きているんだよ。」
「…魔法!?」
また、「あり得ない」単語がリュウの口から飛び出して、私は眉をしかめた。