記憶 ―惑星の黙示録―


私が顔をしかめているのには目もくれず、リュウは言葉を続ける。


「…ん~、確か鉱山の地下に魔法使いの老婆が住んでいるからっていう噂もあったなぁ。」


…で?本当は?

今までの流れだと、
何か新事実があるんでしょうよ。

もう驚いてやるものかっ。


「…本当のところは、誰も調べようとした人がいないから知らない。こんなに綺麗なら、理由なんてどうでもいいってさ…。」

「…へ?…へぇ…」

…拍子抜け。
ある意味驚いてしまった…


まぁ確かに。

こんな光景を見せられたら、綺麗なものに理由はいらないって気にもなる。



リュウはこの街の住民だけあって、詳しく色んな事を話し出した。

余程自慢なのか、キラキラと目を輝かせて、意気揚々と声を大きくした。


「この街の住民はさ、みんな昼が苦手で、昼がいる間は街ごと異空間にいるんだ。それで夜がやって来ると、ここへ戻ってくる。」

「そうなの…」

不思議な街ね…
と、私は笑った。


「うん、夜とは気が合うらしい。まぁ俺は昼も苦手じゃないけど…」


その時だった。



――ガクンッ!

まさに、
そんな衝撃。

体が下に引っ張られる。


「――…えぇぇ!?」

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