記憶 ―惑星の黙示録―
急に、その街に向かって私たちは頭から真っ逆さまに落ち出したのだ。
「…ちょっ…、リュウ!…どうしたの!?」
リュウは落ちながらも、やはりキャスケットを守っていた。
もう今日は落ちてばかりだ…。
私にも、少しばかりの免疫が出来ていたのか、落ち着いてリュウの返答を待てた。
「あらら、風の道が切れたんだ。…やっぱり二人分の体重には耐え切れなかったみたい。」
「…は!?」
「…奈央が重いからいけないんだ…。」
ぷぅ、と小さな頬を膨らませてみせた。
そんな余裕の表情を漏らすリュウが、やはり落ち着いて見えたので、
「し、失礼ねっ!でも、また…どうにかなるんでしょ?」
と聞いてみた。
でも、
…聞かなければ良かった。
お互いに、
頭を街へと向けたまま、
暗い闇夜の中で、
街の綺麗な明かりだけが、
私たちへと近付く。
リュウは黙って私を見つめる。
「…どうにもならない。今回は、運任せだよ…。」
そう子供らしくもない苦笑いをした。
……え…?