記憶 ―惑星の黙示録―


「…それでさ、ハルカ。」

リュウがぽつりと話し出す。


「…もうちょっとだけでいいから、…マシな助け方無かった?」


リュウの言葉に、ハルカちゃんの顔がふて腐れて赤くなる。


「…あたしがとっさに魔法使わなかったら、2人ともどうなってたと思うわけ!?」

「………」

私たちは間一髪でハルカちゃんの魔法とやらに助けられ、逆さまに宙吊りになっていた。

動かない首では、リュウの表情まで見る事は敵わない。
しかし、リュウはこの体勢が不服なんだろう。


ハルカちゃんは、リュウに対して言葉を続けた。


「…お兄ちゃん!また、そんな格好してっ!!また風の道から落ちたんでしょっ!」

「…あはは、ごめんよ?」

リュウはそう笑いながら一言謝った。


お兄ちゃん…?
…そんな格好…?


「ほら、だって。風の道が一番の近道じゃん?それにさ…」

リュウは、ハルカちゃんに向けてそう話し出すが、言い訳とも取れる内容は長くなりそうだった。

私は、
自分自身でこの体勢に限界を感じていたんだ。


「…話の途中で、ごめん。頭に血が昇っちゃって…」

助けて…
そうハルカちゃんに視線を送る。

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